【マイナー中心】年末年始にオススメの海外ドラマとかドキュメンタリー
ファー!
なんちゃら・オブ・ザ・デッド祭りから早数ヶ月。
うかうかしてたらもう年末です。
忙しい忙しいといいながらhulu廃人としてはドラマの視聴は怠りなく進めております。
色々見てるのでそろそろ感想も言いたくなってきましたゆえ、今日は年末年始に見たい海外ドラマ、それも小品中心にカンタンにご紹介していきたいと思います。
だってさあ、今更24とかブレイキング・バッドとかウォーキング・デッドとかもういいやん?
知ってるし、FOXで見られるし、なんか若いにーちゃんが好きそうなやつばっかりだなーという。
というわけで、「さくっと終わる佳作」中心にご案内。hulu配信作品限定でごめんなさいね。
刑事ジョン・ルーサー
ええええ、いいんですよ。
「わ、おもんなさそー」と思われたことでしょう。
先週友達に話した時もそう言われました。
ところがこれは相当おもしろいクライム・サスペンスですよ。
イギリス発、初の黒人ジェームズ・ボンドという噂も持ち上がった(結局立ち消えになったけど)イドリス・エルバ主演。
イドリス演じるジョン・ルーサーはかなり男性ホルモン多めのタイプ。相当な規則違反をしても絶対に犯人は取り逃がさない、という刑事。
頭脳明晰というより動物的な嗅覚のするどさとベテラン刑事ならではの老獪なテクニックが相まって、向かう所敵なし。でもキレやすい。(奥さんの家で暴れるシーンまじ怖い。)
まあ、彼が魅力的すぎて画面が持つ、というのがまず勝因ですが、女性サイコ・キラーに惚れられて、彼女に影に日向に助けられるようになる(そしてそれが原因で刑事人生が狂い始める)ってのもかなり新しい設定かと思います。
男女逆ならレクター博士とかあるんですけど。
あとはおおむね2話で1事件が片付くという構成になっているため、犯罪者側のキャラの書き込みが丁寧で、説得力が違います。
よくある「ナイフに舌なめずりでヒヒヒ」みたいなサイコパスはいない。
私が一番恐怖&感心したのはですね、第3話の冒頭のコレ↓です。
この犯人、いきなり玄関先でヨソの奥さんの顔舐め回して拉致するんですよ。
そのキモさに戦慄すると共に、「日本でこんな顔舐め回されをOKする女優も舐め回しをOKする俳優もいるかな・・・」と妙に感心したわけです。
あとは、第2シーズンの「サイコロ出た目で破壊行為すごろく」野郎もすんごい斬新さで恐ろしかった↓
いかんせんシーズン1が6話、シーズン2が4話という超タイトな構成のため、急転直下の展開になっておりますが、アメリカドラマと違って「お約束」が極端に少ないのが、イギリスドラマの良いところ。
「いやまさかこの人は死なんやろ」「いやまさかお前がそんな悪いことするワケ無い」とか、そういう全ての連ドラお約束をガンガン裏切ってくるドライブ感に酔いしれる作品となっております。
いやーしかしやばい、イドリス・エルバやばい(性的な意味で)。
CRISIS ~完全犯罪のシナリオ
10話で終わるので、イッキ見推奨作品です。
「シークレット・サービスが護衛するワシントンDCの名門校“バラード高校”のスクールバスが、突如バスジャックに遭う! そのバスには大統領の息子を始め、産業のトップCEOや外交官、政界の権力者など国を代表するV.I.P.の令息や令嬢ばかり数十名が乗っていた・・・」
という内容なのですが、アメドラらしくすんごい非道な展開とか悲惨な結末とかが待っていないので、割りと安心して見られますね。
とある陰謀に関わっていた関係者が起こした劇場型復讐劇、という内容ですが、見どころはVIPの親と犯人の駆け引き。
政府の要人や外国大使の子息が誘拐されるという事件なので、「このミッションをコンプリートしたら子供返したるわ」という脅迫が犯人から届くわけです。
そのミッションも国を巻き込むスケールのデカさゆえに、子供の命と公僕たる自分の使命の間で揺れ動く、と。世の親御さんにとっては胃がキリキリするようなドラマです。
第1シーズンで打ち切りになっているので、幸か不幸か、かなりすっきりまとまって見やすい作品になっとります。
トンネル ~国境に落ちた血
世界中で大ヒットした北欧ドラマの、イギリス版リメイク。
「行方不明となっていたフランスの議員の遺体が、ドーバー海峡トンネルで見つかる。その死体は二つに切断されて上半身と下半身は別人だった・・・」
というところから始まるミステリーです。
このドラマの見どころはですね、「主人公(ヒロイン)がアスペルガー症候群」ってところです。
サヴァン症候群を持っていて超人的な能力を発揮する主人公が活躍するドラマ、とかはままありますが、「ガチで人間関係うまく行かない(でも捜査は有能)」っていう難儀さを正面から捉えたドラマはちょっと珍しいな、と思い、ラインナップ。(実際に病名が出てくるわけではないですが、明らかにそれと分かる描き方をされています。)
仲良くなろうと思って「俺こないだパイプカット受けてん」と話しかけたらこの顔↓
そんなフランスの彼女とのコンビネーションに、もの凄~く摩耗しながら頑張る英国男性刑事も非常に人間臭くて泣けます。
こちらも10話でさくっと終わるのでぜひ。
ウェントワース女子刑務所
オーストラリアドラマのオーストラリアリメイク。珍しい。
元々はソープオペラだったらしいですが、メインキャラの前日譚を中心に、再構成したドラマって感じらしいです。
っていうか、絵面凄すぎない・・・?
まあこんな感じのド迫力女囚ものです。
女囚ものと聞いて皆様ご期待される百合展開も、のっけから十分にご用意されております。ただ、メンバーはこんな↑感じですが。
あとここに、ボスキャラのジャックス↓が加わり、ムショ内の権力闘争が基軸になっていきます。
なんつう悪者顔!!
刑務所モノを見る時は「YOUはどうしてプリズンに?」というところが気になるところですが、これも「実は私ね・・・」とかご本人に語らせてないところが秀逸です。
それぞれのエピソードに絡めてカットバックさせる形で描いているんですが、「元から抱えていた問題のせいでムショに入り、その問題が根本的に解決できていないから、ムショ内でもそこがトリガーになりトラブルが発生する」という構成になっています。
この辺の脚本が鮮やかで感心至極です。
このドラマも後半結構ヘビーな展開になりまして、つれぇ・・・と思わず呟きながら視聴しましたよ。
本国ではシーズン3くらいまで放送されているそうですが、huluで見られるのはシーズン1の10話だけ。はよせぇ。hulu。
アウトランダー
一言でいうと「エロめの古装ハーレクイン」。
第二次世界大戦直後、看護師のクレアがハロウィンの日にストーンヘンジぽいところをうろついてたら、なんか知らんけどいきなりタイムスリップ!16世紀に来ちゃったけど、イケメンに都合よく惚れられ夫婦になって、なんだかんだトラブルがあってもイケメン夫が危機一髪のところで助けに来てくれて、もとの20世紀に戻りたいような戻りたくないようなスコットランドばんざい!
という話。
衣食住の生活風景がたくさん描写されてますので、ケルトスキーな方におかれましては、結構楽しんで見られるんじゃないかと。タータンチェックの布の作り方とかね。おしっこかけてモミモミするらしいですよ。ヒー。
エロめの時代劇は好物なので私はまあまあ美味しくいただきました。
ところで途中のエピソードで、こんな乳搾り↓(人間)が出てくるんですが、これってどうやって撮ってるんでしょうね・・・。実写?
とにかく半笑いになってしまうほどメロドラマなので、キュンキュンが不足しがちな奥様には本当におすすめです。
イケメン旦那のジェレミーがやばい(性的な意味で)。
キャットフィッシュ ~リアルレポート ネット恋愛の落とし穴~
これめっちゃ面白いんですけどねー、あんまり話題になっとらんですね。
「ネット彼女(or彼氏)がなかなか会ってくれないんだけど。あれ?俺騙されてる?」と不安にかられた人から依頼されて、捜査してくれる二人組のドキュメンタリーです。
俳優のニーヴと相棒のマックスがアメリカ全土を飛び回って「画面の向こうの彼女(or彼氏)」に会いに連れてってくれるんですけど、毎回毎回スリリングな展開です。
おおむね容姿に自信のない男女がそういう事をしていますので、実際に会ってみると「おぉ・・・こ・・・これは・・・。」となるわけです。
なぜ会ったこと無いのに「婚約してるの♡」までテンション上げられるのだ。とか、そういうツッコミはエピソードごとにあります。
ところが、あんまり笑える展開にはなってないんですね。
キャットフィッシュ(ネットでのなりすまし)をする人は、容姿はもちろん、複雑な生い立ちや学校でのいじめなど、それまでの人生でまあまあ酷い目に合ってきて、基本的に人間が怖くなっている人ばかりです。
とても責める気にはなれない複雑な人間を前にして、騙されてた方も怒る事もできず途方にくれる、という展開ばかりなんですね。
この番組の構成が優秀なのは、突撃を一泊二日の旅程にしていることではないでしょうか。
つまり、
1日目:アポ取って突撃→ご対面→ショック!!
(その夜は加害者、被害者ともに単独でニーヴたちと面談。気持ちを整理する。)
2日目:気持ちの整理がついたら再びご対面。昨日とは違った気持ちでそれぞれの胸のうちを話し合う。
(その後のふたりについてのナレーション)
意外にその後、友情が続いているふたりが多いんですよ。
会ってショック!で終わるんじゃなくてですね、やられた側、やった側両方のその後の人生のことを考えて、ちゃんとクールダウン&再構築する余地を残している。
ここが面白く、かつ圧倒的に「良い」と感じるポイントです。
いわゆる出歯亀根性で見始めたわたくしが、深く感じ入ったのは、「人間関係の可塑性」ってとこです。
敵とか味方とか良いやつとか悪い奴とか、人間や人間関係は一色に塗れないんですね。
無数のグラデーションの間にグラグラしながら存在してるのに、その人に真摯に向き合ってないと単色に塗りつぶされてしまうのだなーと。
人間関係ってのも幸福ってのも、他人に見せるためのもんじゃないから、本当はどう規定してもいいはずなんですよね。
そういうマジメな事を考えながら見ましたですよ。
まああとね、みんなネット恋人に入れ込む前に一応Google画像検索しとけ。悪い事は言わないから。
プレッパーズ ~世界滅亡に備える人々~
尋常じゃなく備蓄スキーな人、それがプレッパーズ。
アメリカにはいつか来る終末に備えて、食料の過剰な備蓄や武器の訓練、自宅の要塞化など色んな事をやり過ぎているプレッパーズがたーんと居るらしいです。
そんな方々に密着したナショジオのドキュメンタリーなんですが、これもおもしろい。
色んな終末を想定した方が次々出てきます。
放射能、火山の大噴火、金融崩壊、石油枯渇、大地震、ポールシフト、太陽フレア・・・お腹いっぱい。
↑金融崩壊に備えている女性ですが、それより明日の心筋梗塞に備えた方がいいと思います・・・。
みなさん食料の備蓄はもちろん、エネルギー自給やシェルターの建設なんかにも取り組んでいて、サバイバルノウハウの見本市みたいになってます。
とは言え、備蓄食料の作り方とか格闘術とか、いろいろと勉強になるのも確か。
↓ワックスチーズを作っとくと常温で20年は持つらしいですよ。20年!
吹き替え版で配信中なので、「家事のおともにまったり流し見」がオススメです。
まだまだご紹介したいドラマが山程あるんですが、とりあえず今日はこのへんで。疲れた。
huluは2週間無料なんで、クリスマスあたりにトライアル加入すれば、仕事始めくらいまでは楽しめますな。
ここで紹介したのはたぶんTSUTAYAとかで置いてないので・・・。
では良いお年を~。